この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
千一夜
第44章 第七夜 訪問者 夢
「負け犬」
 と誰かが言う。咲子なのか、それとも私の上で腰を振っている女なのか。
 声なんて聞きたくない。だから手で耳を塞ごうとする。だが今の私にはそれができない。ならば目を瞑る。私は咲子も私の上で腰を振っている女も見たくなかった。ところが……。
 パラレルワールドは厄介なところだ。目を瞑っても咲子が見えてしまう。もちろん私の上の女も。
 どこかに逃げ出そうとしても並行時空では隠れる場所がない。そしてとうとう射精の瞬間を迎えた。この空間に神や仏がいるとは思えない。しかし、私は心の中で手を合わせて祈った。「私を助けてください」と。
 私がいくところを咲子には見られたくない。私の体の中から放たれる精液は、咲子に迎えられるべきものだ。それなのに私の精子たちは別の女の穴の中に放流される。
 それにもう一つ。咲子のおま〇こは私のものだ。私だけに与えられた宝の穴なのだ。今その秘穴を貪っているのは、私が知らない二人の男だ。
 男たちを許すことなどできない。他の女と交わることと引き換えに、私は自分の女を二人の男に捧げたわけではない。
 嫉妬に包まれて私は女の中に発射した。
 私の精液を飲み込むと、女は体を前に倒してきた。私の右の耳元で「亮ちゃんの温かい」と言った。そして今度は左の耳元で「市長、私妊娠しちゃうかも」と言った。
 もうどうでもいい。女が京子だろうが、沢田絵里だろうがどちらでも構わない。どうせパラレルワールドの中で出会った女だ。そんな女とはもう二度と会うこともないだろう。
 射精のせいだろうか、私は脱強い力感に襲われた。体力や気力が奪われる。その時音楽が聴こえた。私はこの曲を知っている。確か……。どうしてもこの曲だけは思い出したかった。何という曲だったろうか……。
 そうそう、これはツェッペリンの「天国への階段」
 私は死んでしまったのか? それならそれで構わない。けれど天国も面倒でややこしいところだ。ジェラシーからも怒りからも解放されない。心穏やかに過ごせる場所が天国じゃないのか。
 なるほどそうなのか。どうやらここは天国ではない。地獄でもなさそうなので(おそらく地獄でセックスは許されいない、多分)、私はまだ死んではいないのだろう。
 ジミーペイジのギターに合わせて、ロバートプラントが歌い出した。曲と一緒に私は本当の眠りの世界に入って行った。
/550ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ