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千一夜
第6章 第二夜 パヴァーヌ ②

最初に出てきたのは主人だった。やはり主人の目に私は映っていない。次に出てきたのは姉。許せないのは、姉が主人と手をつないでいたことだ。
姉と主人がセックスをしていても、いつか主人は私のものになると信じていた。だからこう考えて自分を何とかごまかしていた。今だけお姉ちゃんに私の大切な人を貸してあげる、と。
主人と姉の手を見て私の嫉妬は最高潮に達した。三番目に出てくるのは母。父は主人を見送るなんてことは絶対にしない。だから私はリビングから出てくる母を押しのけてリビングに入った。案の定父は不機嫌な顔をして腕を組み目を宙に向けていた。
「パパ、お姉ちゃん結婚なんかしないよね。絶対だめだから」
私は父にそう言った。
「うるさい!お前には関係ないことだ!部屋に行け!」
父は私に怒鳴った。
「パパはいつも言ってたよね。自分がお姉ちゃんにふさわしいお婿さんを見つけるんだって。今でもそうなんでしょ」
父に怒鳴られてもここで引き下がるわけにはいかない。
「……」
父の目は相変わらず宙を彷徨っていた。
「だったらパパが早くお姉ちゃんのお婿さん見つけてよ。先生は私の……先生は私の先生なんだから絶対にダメ!」
「うるさい!」
ようやく父の目が私に向けられた。
自分の部屋に戻った。いつもだったらこのままベッドに潜り込んでオナニーするのに、今はそんな気分になれない。このままだと主人が姉に取られてしまう。それを納得しろと言われても私にはできない。主人は私のものだ。
夕食のとき姉はいなかった。父と母と私だけ。会話なんてない夕食。姉と主人のことが意図的に避けられている。私はそれでいいと思っている。
何かを話し出したらきっと私は止まらなくなる。そうなると主人とキスをしたことや、主人のおちんちんを見たこと、それに下着姿で抱き合ったことまで私は言ってしまうに違いない。
それを話すことで、姉と主人の中が粉々に壊れれば、私は父と母に主人との秘密を打ち明けただろう。でもそれを言うことで私と主人は永遠に離れ離れになってしまう。父は激怒するに決まっているし、母も私を見放すだろう。激怒され、見放されても私は構わない。でも主人と離れ離れになることだけは私にはできない。
秘密は秘密のままの方がいい。そのとき私は子供だったが、自分と主人を守るためにそう判断した。
姉と主人がセックスをしていても、いつか主人は私のものになると信じていた。だからこう考えて自分を何とかごまかしていた。今だけお姉ちゃんに私の大切な人を貸してあげる、と。
主人と姉の手を見て私の嫉妬は最高潮に達した。三番目に出てくるのは母。父は主人を見送るなんてことは絶対にしない。だから私はリビングから出てくる母を押しのけてリビングに入った。案の定父は不機嫌な顔をして腕を組み目を宙に向けていた。
「パパ、お姉ちゃん結婚なんかしないよね。絶対だめだから」
私は父にそう言った。
「うるさい!お前には関係ないことだ!部屋に行け!」
父は私に怒鳴った。
「パパはいつも言ってたよね。自分がお姉ちゃんにふさわしいお婿さんを見つけるんだって。今でもそうなんでしょ」
父に怒鳴られてもここで引き下がるわけにはいかない。
「……」
父の目は相変わらず宙を彷徨っていた。
「だったらパパが早くお姉ちゃんのお婿さん見つけてよ。先生は私の……先生は私の先生なんだから絶対にダメ!」
「うるさい!」
ようやく父の目が私に向けられた。
自分の部屋に戻った。いつもだったらこのままベッドに潜り込んでオナニーするのに、今はそんな気分になれない。このままだと主人が姉に取られてしまう。それを納得しろと言われても私にはできない。主人は私のものだ。
夕食のとき姉はいなかった。父と母と私だけ。会話なんてない夕食。姉と主人のことが意図的に避けられている。私はそれでいいと思っている。
何かを話し出したらきっと私は止まらなくなる。そうなると主人とキスをしたことや、主人のおちんちんを見たこと、それに下着姿で抱き合ったことまで私は言ってしまうに違いない。
それを話すことで、姉と主人の中が粉々に壊れれば、私は父と母に主人との秘密を打ち明けただろう。でもそれを言うことで私と主人は永遠に離れ離れになってしまう。父は激怒するに決まっているし、母も私を見放すだろう。激怒され、見放されても私は構わない。でも主人と離れ離れになることだけは私にはできない。
秘密は秘密のままの方がいい。そのとき私は子供だったが、自分と主人を守るためにそう判断した。

