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千一夜
第49章 第七夜 訪問者 妖の灯
「あの人一体何者なの? たとえ中途でも人が羨むような会社に入って、○○市に来たかと思ったら退職ってあり得ないでしょ?」
「会長はこのことで何か言ってるか?」
「今のところ何も言っていないわ。ていうかお飾り程度にしか思っていなかったんじゃないの? いてもいなくても次の市長は長谷川で決まりなんだから」
「お飾りか……」
「楽しい新婚旅行のお邪魔してどうもすみませんでした。奈良土産は柿の葉寿司でお願いします」
「ふざけるな」
「帰ってきたら連絡頂戴」
「了解だ、ところで思い出したか?」
「私が消えた美人さんとどこかで会ったというこよね?」
「ああ」
「でもさ、考えてみればいなくなった美人さん、シカゴコンサルティンググループの社員さんでしょ? そんなエリートと会うなんて機会は私にはないのよね。まぁ、美人さん辞めちゃったけど」
「気のせいだということか?」
「ううん……ごめん、やっぱりどこか引っかかるの」
「思い出したら教えてくれ。ただし、俺たちがそっちに帰ってからでいい」
「了解です。柿の葉寿司楽しみにしてます」
「あほ」
電話はそれで終わった。
立花京子に瓜二つの沢田絵里。その沢田絵里が突然消えた。
「なぁ、あの話に間違いはないよな?」
あの話とは、沢田絵里がどうして私の選挙参謀になることができたのかということだ。
「あの話って沢田さんこと?」
「そうだ」
「間違いないわ。パパが土屋さんと山口さんと神楽坂のおでん屋さんで飲んでいたとき、N電気の野村さんが、パパたちに挨拶に来たらしいの。そのとき野村さんと一緒にいた人がシカゴコンサルティンググループの沢田さん。でもパパたちは不愉快だったみたいよ」
不愉快になるのは当たり前だ。土屋と山口は遠山高獅の大学の同窓生だ。同じ研究室で司法の世界を目指していた三人。今土屋は虎ノ門に事務所を構え、遠山機械工業の顧問弁護士でもある。山口は私立大学出身者で初めて検事総長まで上り詰めた男だ。検事総長を二年務めた後、遠山機械工業の取締役となった。
神楽坂のおでん屋も、三人が学生の頃から通ってた馴染みの店だ。そんな三人がいるおでん屋の個室に野村が顔を出したとき、遠山だけでなく土屋も山口も不快な顔を隠さなかったに違いない。
おそらく三人の行きつけの店を知っていたのは野村ではなく沢田絵里だ。沢田絵里は遠山高獅に近づこうとした。では何故?
「会長はこのことで何か言ってるか?」
「今のところ何も言っていないわ。ていうかお飾り程度にしか思っていなかったんじゃないの? いてもいなくても次の市長は長谷川で決まりなんだから」
「お飾りか……」
「楽しい新婚旅行のお邪魔してどうもすみませんでした。奈良土産は柿の葉寿司でお願いします」
「ふざけるな」
「帰ってきたら連絡頂戴」
「了解だ、ところで思い出したか?」
「私が消えた美人さんとどこかで会ったというこよね?」
「ああ」
「でもさ、考えてみればいなくなった美人さん、シカゴコンサルティンググループの社員さんでしょ? そんなエリートと会うなんて機会は私にはないのよね。まぁ、美人さん辞めちゃったけど」
「気のせいだということか?」
「ううん……ごめん、やっぱりどこか引っかかるの」
「思い出したら教えてくれ。ただし、俺たちがそっちに帰ってからでいい」
「了解です。柿の葉寿司楽しみにしてます」
「あほ」
電話はそれで終わった。
立花京子に瓜二つの沢田絵里。その沢田絵里が突然消えた。
「なぁ、あの話に間違いはないよな?」
あの話とは、沢田絵里がどうして私の選挙参謀になることができたのかということだ。
「あの話って沢田さんこと?」
「そうだ」
「間違いないわ。パパが土屋さんと山口さんと神楽坂のおでん屋さんで飲んでいたとき、N電気の野村さんが、パパたちに挨拶に来たらしいの。そのとき野村さんと一緒にいた人がシカゴコンサルティンググループの沢田さん。でもパパたちは不愉快だったみたいよ」
不愉快になるのは当たり前だ。土屋と山口は遠山高獅の大学の同窓生だ。同じ研究室で司法の世界を目指していた三人。今土屋は虎ノ門に事務所を構え、遠山機械工業の顧問弁護士でもある。山口は私立大学出身者で初めて検事総長まで上り詰めた男だ。検事総長を二年務めた後、遠山機械工業の取締役となった。
神楽坂のおでん屋も、三人が学生の頃から通ってた馴染みの店だ。そんな三人がいるおでん屋の個室に野村が顔を出したとき、遠山だけでなく土屋も山口も不快な顔を隠さなかったに違いない。
おそらく三人の行きつけの店を知っていたのは野村ではなく沢田絵里だ。沢田絵里は遠山高獅に近づこうとした。では何故?

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