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千一夜
第49章 第七夜 訪問者 妖の灯
「幻想の湯。不思議な名前だよな」
 私と咲子は、私たちの部屋と同じ階にある“幻想の湯”と名付けられた貸し切り露天風呂に二人で浸かっている。部屋にも風呂はついているのだが、何分二人で入るには小さすぎる。だからと言って旅館の風呂は混浴ではない。
 時間制で貸し出している露天風呂を私はついさっき借りた。この旅館には私たち以外に客はいない。そういう予感は私の中では確信に変わっていた。「貸し切り露天風呂を借りたい」私がそう言っても、旅館は絶対に断らない。私には自信があった。
 そして今私と咲子が浸かっているこの貸し切り露天風呂は、明日の朝まで私たちだけのものになった。
「お風呂の名前何てどうでもいいわ。こうやって亮ちゃんと二人でお湯に浸かっていることが大事。そう思わない?」
「確かにその通りだ。よし、決めた。来年もう一度奈良に来てこの宿に泊まる。議会が終われば少しは時間が取れると思う。夏だったら、浴衣姿で外を歩けるぞ」
「それ政治家としての公約? それとも私との約束?」
「何度も言わせないでくれ。君と二人でいるときは俺は政治家じゃない。君を愛している君の夫だ。俺は長谷川亮太で君は長谷川咲子」
「ふふふ、ありがとう。でもまだ長谷川咲子と呼ばれてもピンとこないな」
「当り前だよ、でもやがて慣れるさ。……色即是空」
 私の頭の中にふとその言葉が浮かんだ。
「えっ? 何?」
「俺たちが生きている世界は因と縁によって存在しているらしい。その存在は因と縁が離れることで消滅するそうだ」
「亮ちゃん、お願いだからお風呂の中で難しいことは言わないで。折角の温泉よ。それも二人だけのお風呂」
 私のペニスはずっと咲子に握られている。咲子の手に力が入った。
「悪かった」
 私もたわわな咲子の乳房を揉む。これでお相子。
 議論をするために風呂を借りたのではない。繋がるまでの時間(人はそれを前戯と呼ぶ)を愉しむために、私と咲子は互いの体を弄り合いながら風呂の中にいる。
 何となくだが、やがて沢田絵里の正体は露見する。正体……、沢田絵里は何者なのだ? 何の目的があって私に近づこうとしたのか? そしてなぜ姿を消したのか?
 私はそれを知りたい……、いや、違う。本当は知りたくないのだ。私は沢田絵里の正体に怯えている。間違いなく沢田絵里という女は恐ろしい秘密を抱えている。
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