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千一夜
第6章 第二夜 パヴァーヌ ②
「そう、ばか健太はエッチ。女の子だったら誰にでもキスするから」
「好きな人じゃないとキスなんかしないよ」
「嘘」
「嘘は言わない」
「じゃあ何で私とキスをしたの?」
「好きだから」
 お姉ちゃんは? と訊こうとしたがやめた。今ここで姉のことは言いたくないし、おそらく主人も姉の話題には触れられたくないだろう。
「やっぱり何か飲む。何があるの?」
「コーヒー」
「コーヒーだけ?」
「ああ、お酒はだめだろ?」
「お酒でもいい」
「コーヒーを淹れるよ」
「甘いのでお願いします」
「砂糖ないんだよね。何か飲みに行こうか?」
 主人はブラックでコーヒーを飲む。
「行かない」
 飲み物なんかどうでもいい。今はこの部屋で主人と二人でいたい。
「ここに飛鳥ちゃんが来ることお父さんやお母さんは知っているのか?」
「知らないし関係ないよ。ねぇ健太」
「何?」
「今晩泊めてくれない?」
「無理だよ。飛鳥ちゃんのお父さんとお母さんが心配する。そんなことは今俺にはできない」
「今じゃなかったらいいの?」
「……それより悪かったな。飛鳥ちゃんの勉強みてあげられなくて」
「そうだよ。学年順位168番。担任には叱られるし、お母さんなんか学校に呼び出されたんだから」
「そうか」
「どうしてくれるの?」
「飛鳥ちゃんの都合のいいときに一緒に勉強しよう」
「ここで?」
「何だったら研究室に来る?」
「東大の?」
「ああ」
「お断りします。東大の研究室なんて真っ平ごめんです。ここがいいです」
「制服姿の飛鳥ちゃんがこのアパートの誰かに見られると、俺ロリコンだと思われるんだけど」
「健太はロリコンじゃん」
「俺がロリコン?」
「そう、健太はやばいくらいのロリコン」
「ははは」
「笑い事じゃないよ。健太はまじロリコンだから」
「……」
 笑い顔が消えると、主人は急に疲れた表情になった。後で聞いたのだが、警察から二度姉のことで事情を訊かれたそうだ。
「殺風景な部屋。狭いし何もないし」
 私はぐるりと部屋を見渡した。個性のない平凡な部屋だった。
「悪かったな」
「ねぇ健太、エッチなDVDとかある?」
「ないよ」
「探してもいい?」
「探すだけ無駄」
「エッチなDVD隠しているな」
「隠してなんかないよ」
「本当?」
「ああ本当だ」
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