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千一夜
第52章 第七夜 本当の顔
「これを見てください」
 食事を終えた遠海は、トートバックから小さなアルバムを取り出して私の前に置いた。
「拝見します」
 私がアルバムを開くと咲子もアルバムを覗き込んできた。
「都子ちゃんが写っている写真、意外と少ないんです」
 遠海がそう言ったので、私は写真が何枚あるのか調べるためにページを繰った。
「二十枚……くらいでしょうか」
 私は数えてそう言った。
「ですね。その写真も全部学校行事のときのものです。長谷川さん、それを見て何か気づきませんか?」
「……いつも端にいる」
 三人で写っているときも江村都子は真ん中にはならない。
「そうなんですよ。都子ちゃんの可愛さとか当時はもう別格でした。だから周りの女子はそういうポジションを都子ちゃんに譲ろうとするんですけど、都子ちゃんは、首を横に振ってみんなの端に立つ。どうして彼女がそうするのかわかりませんでした」
「写真が嫌いな人もいるわよね」
 咲子がそう言った。
 写真が嫌いな理由ってなんだろう? 私はふとそう思った。
「咲子、あの写真を遠海さんに見てもらおう」
「はい」
 咲子はバックから交流会で撮られた写真を取り出した。その写真に写っているのは江村都子ではなく沢田絵里。だが沢田絵里も江村都子同様端に写っている。
「写真の端に写っているこちらの女性は沢田絵里という人です。どうでしょう? この女性、ひょっとして江村都子さんじゃないでしょうか?」
 私は写真に写っている沢田絵里を指さした。
「……」
 私は遠海舞を窺った。写真を見た遠海はどんな反応を示すのか。幼馴染を懐かしむ顔をするだろうか。
 交流会で撮られた写真に遠海舞の目が釘付けになっている。ずっとずっと硬い表情をして写真を見ている。遠海は何も言わない。
「どうですか?」
「J〇の人たちはどう言っていました?」
「似ていると思う。しかし写真の沢田絵里と江村都子さんが同一人物だとは言えない、そんな感じでした」
「でしょうね。私もそう思います。確かに似ている。でも雰囲気が……何というか、私の知っている都子ちゃんじゃない」
「なるほど」
「ちなみにこの沢田さんという人は何をなさっている人なんですか?」
「シカゴコンサルティンググループの日本法人に勤めていました」
「シカゴコンサルティンググループ!」
 遠海の大きな声は、コーヒーと本好きの人たちに届いた。
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