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千一夜
第52章 第七夜 本当の顔
 何人かの客の目がこちらにやってくるのを感じた。
「あの、仮に江村都子さんがシカゴコンサルティンググループで働いていたとしたら、遠海さんはどう思われますか?」
「想像できません。シカゴコンサルティンググループって外資で有名な企業ですよね? そんな会社に入るためには必死に勉強して有名な大学を卒業しないと入れませんよね? 都子ちゃんも私も大学には行ってません。だから……」
「ねぇ、亮ちゃん。シカゴコンサルティンググループって大学を出ていないと入れないの?」
 咲子が私にそう訊ねた。
「大卒でない人間がシカゴコンサルティンググループに入ったなんて聞いたことないな。あそこは東大か京大、俺の母校のK大かW大出身者がほとんだよ。学歴フィルターがあると言われている企業だからな」
「俺の母校が余計なんですけど」
「ふふふ」
 咲子の戯言に遠海が笑った。
「学歴フィルターなんてあっていいの?」
 咲子が私にそう訊ねた。
「難しい問題だ。我が街の役所にはないがね」
 どこの大学を出たのか(あるいは出なかった)で、たとえ応募書類を出しても、採用担当者から簡単に門前払いにされることもある。
 確か遠山機械工業の今年度の技術職に採用された新卒学生の出身大学は、国立では東大、京大、大阪大、名古屋大、東北大。私立ではK大とW大の七校だけだと聞いている。
「都子ちゃんは頭がよかったと思いますよ。勉強だって出来たし……でも、頭がいいと言うより賢いと言った方がいいかな」
「賢い? どういうことですか?」
 私は遠海にそう訊ねた。
「怖いくらいに余裕があるんです。だから周りがよく見える。すると次に何をすればいいのかわかる。それから自分の考えをクラスのみんなに提案する。まぁ、都子ちゃんは可愛いからクラスの男子は逆らわないんですけどね。それに都子ちゃんは女子からも好かれていたから」
「……」
 遠海の言いたいことはわかるのだが、今一つ都子の姿が見えてこない。
 そのとき甘い匂いが鼻孔を通った。
「苺のショートケーキでございます」
 店員はそう言うと、咲子と遠海の前にそれを置いた。いつの間にか咲子が苺ショートを頼んでいた。
「あっ、そうだ。都子ちゃんについて一つだけ驚いたことがあったんだ」
「驚いたこと? それは何ですか?」
「ふふふ、中学二年のときなんですが」
「中学二年?」
「ふふふ」
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