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千一夜
第52章 第七夜 本当の顔
 江村都子が脚本を書いて演じたシンデレラはどんな芝居だったのだろうか。私はそれが知りたい。
「江村さんが台本を書いたシンデレラはどんなお話なのでしょうか?」
「シンデレラって最後はハッピーエンドで終わりますよね?」
「物語の最後では王子様と結婚したんじゃなかったかしら」
 咲子が答えた。
「そうですよね」
「違ったんですか? ハッピーエンドで終わらなかったんですか?」
 今度は私が遠海に訊ねた。
「都子ちゃんが書いたシンデレラのラストシーンをハッピーエンドと捉える人もいるでしょう。でもそれは同時にバッドエンドでもあると思うんです」
「バッドエンド?」
 どうすればシンデレラという物語がハッピーエンドとバッドエンドを共有できるのか私にはわからなかった。
「主役は都子ちゃん。でも都子ちゃんが演じるシンデレラはダークヒロインなんです」
「ダークヒロイン」
 私と咲子の声が重なった。
「こんな感じの物語でした。魔法をかけたのは悪魔。すべては悪魔によってコントロールされている。本当は優しい継母と二人の姉も悪魔によっ意地悪な人間にされてしまう。もちろん、時間も靴の大きさも悪魔がコントロールする。何故悪魔はそうしたのか? それは悪魔が王子の国を自分の意のままに動かしたいためにそうしたわけです。ところがシンデレラと悪魔の地位が逆転する。シンデレラはその悪魔を利用して最後は悪魔を自分の支配の元に置く。シンデレラはそうやって王子と結ばれる。王子の国を自由に操るのは悪魔ではなくシンデレラ」
「……」
 気分が悪くなりそうだった。このシンデレラを中学二年生の女の子が書いたのだ。
「何だか不思議なシンデレラね。私にはハッピーエンドでもバッドエンドでもないような気がするんだけど」
 咲子がそう言った。
「それで、その芝居を見た生徒さんたちの反応はどうでしたか?」
「そのお芝居で都子ちゃんは学校の男子全員のハートを鷲掴みにしました。都子ちゃんは綺麗で可愛かったから一部の女子からは妬まれていたかもしれませんね。私だって都子ちゃんばかりずるいと思っていましたから。でも都子ちゃんが書いたシンデレラは面白かったですよ」
 少し前から私の胸の鼓動が速くなっている。一人の女の名前が私の胸を締め付けている。
「シンデレラを演じた江村都子さんの演技は……上手かったんですか?」
「ふふふ」
 遠海が笑った。
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