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千一夜
第52章 第七夜 本当の顔
「その写真、遠海さんに差し上げます」
「頂いていいんですか?」
「どうぞ」
「長谷川さん、ちょっと待っててください」
「はい」
 遠海はそう言うと席を立ちあがり店のスタッフのところに行った。
 戻ってきたとき、遠海は一枚のメモを持っていた。
「長谷川さん、これを調べてみてください」
「……」
 メモには八桁の数字が書いてあった。
「都子ちゃんに怒られるかな。プライベートな部分まで何だか話し過ぎたみたい。これ以上はもう何も話せません」
「わかりました。今日は本当にありがとうございました」
 この先は、遠海がメモに書いた数字だけが頼りになる。
「これ、主人と私の携帯の番号です。何かお気づきになったことがあったら電話を頂けると幸いです。印刷されているのが私の番号で、手書きの数字は主人の番号になります」
 咲子はそう言って自分の名刺を渡した。名刺の肩書は遠山機械工業専務取締役と書いてある。無職の私には名刺がない。
「こんな立派な名刺初めていただきました。専務取締役ってすごいですね」
「立派でも何でもありません。平取ですから」
「平取?」
「父が経営している会社なんで、私はお飾りみたいなものです」
「ふふふ、それでもすごいですよ。ご馳走になりました。それでは失礼します」
 遠海が店を出ていった。
 冷めたコーヒーを一気に煽る。それから店員を呼んで秋田ブレンドのお代わりをした。咲子も秋田ブレンドを頼んだ。
「この数字、何かしら?」
「おそらく最初の四桁の数字は西暦で、後の四桁は月日だろう」
 メモにはこう書いてあった。
 199×、05、1×
「つまり199×年5月1×日ということ?」
「その通り」
「その日を調べろということ?」
「だろうな」
「無理よ。そんなの無理に決まっているじゃない。だってそうでしょ、199×年5月1×日に何があったかなんてネットで調べることすら不可能よ。世界は広いのよ。その広い世界の至る所でいろいろな出来事が起こっている。それをピンポイントで見つけるなんてできないわ。無理、絶対に無理」
 咲子の言う通りだ。だがこの八桁の数字にはきっと何か意味がある。遠海はそれを探せと私に言ったのだ。
「亮ちゃん、これからどうするの?」
「約束通り新婚旅行の続きだよ。この店をだたら秋田の街をぶらぶらして夜はきりたんぽ鍋。そして明日は田沢湖に行こう」
「決まりね」

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