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千一夜
第2章 第一夜 三白眼の娘 ②
 黒川は何度か処女を抱いたことがある。高校を卒業し黒川の会社に入社してきた女だったり、金で落としたキャバクラ嬢だったり、出会い系のサイトで偶然出会った女子大生だったり、まぁ、あと何人かはいるだろう。
 そしてその都度黒川は感激した。この女に初めて印をつけた男になったことの悦び。処女の体、初めて漏らす女の喘ぎと女の痛みの跡を見たときの興奮。震えるくらいに黒川は感動した。
 そして今、幸恵の初めての男になる。幸恵に自分の印をつける。
 敷布団の上に仰向けに寝る幸恵を黒川は幸恵の隣に座って眺める。頭から足の先まで何度も何度も眺める。ときおり幸恵の三白眼が黒川の様子を窺う。何をされるのか? これから何が起こるのか? おおよその見当がついても幸恵から不安が無くなることはない。
 仰向けに寝かされると幸恵の微乳の膨らみがさらに失われる。小さな乳輪に囲まれた乳首が、辛うじて寝ている人間が女であることの証になっている。
 陰部の陰毛は少なく、産毛が少しだけ成長したような感じだ。だからマン筋がしっかり見える。今からその割れ目を開いて露わになった女穴に黒川の肉棒が捻じ込まれる。
 黒川は、幸恵の美しい体の線に見とれている。眺めれば眺めるほど幸恵の体は綺麗だ。妙なでっぱりもへこみもない見事なラインだ。
「幸恵、男の経験はないんだな?」
 黒川は幸恵にそう訊ねた。
「……ない」
「聞こえない、もう一度言いなさい」
「ないです」
「本当だな?」
「本当」
「もし嘘をついていたら許さないよ」
「嘘?」
「そう、嘘だ。だからもう一度訊く。幸恵は男とエッチしたことがないんだな?」
「ないです」
 幸恵は黒川に三白眼を向けてそう言った。
「信じよう。でも、もし幸恵が嘘つきだったら……どうしてやろうかな」
 黒川は幸恵の顔ではなく、幸恵の割れ目だけを見ていた。
「……信じてください」
「信じてください、か。まぁいいだろう」
「……」
「それじゃあ、これから儀式を始めるぞ」
「儀式?」
「そう、儀式」
「……」
「心配することはない。儀式と言ったって気持ちのいい儀式だ」
「気持ちがいい?」
「これからおじさんがね、幸恵の初めての男になるという儀式だよ。大切な儀式だ。これから幸恵が他の男に抱かれても、この儀式で幸恵の体に付けられてた印は永遠に消えないんだよ」
 黒川は口角を上げて幸恵を見ている。
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