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第6章 陽子

部屋を出て 母屋へ向かおうとした時 足音が聞こえ
陽子が歩いて来た

・・・お疲れ様・・・ 

誠は声を掛け 二人並んで歩き始めた
通路の脇の 常夜灯が足元を照らし 夜の闇が辺りを覆っている

・・・3か月 経ったのね・・・ ぽつりと 陽子が呟いた

・・・街に 帰りたくなりました?・・ 誠が聞いた
陽子は 首を振り

・・・支配人・・誠さん 私の事何も聞かないで 置いて呉れて
   感謝してますは あの お香 どうでした?・・・

・・・弥生さんが 幾つも作って居て 今日のは NO3とか言ってましたよ

長い髪の間から 切れ長な目が 悪戯そうに 覗き込んで来た

・・・ご夫婦 盛り上がって まだ 多分・・・
誠も 今出てきた部屋を振り返って 笑顔で答えた

誠と並んで 歩く陽子は 3か月前の事を 思い出していた

・・・・3か月が 過ぎたのね・・・・


・・・・あの夜は強い雨の夜だったな・・・


・・・・忘れられない・・


・・・・・・・・・・あの日の事・・・・・・
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