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第8章  啓子
「 猛君は? 」

「 俺ですか 俺はそこの風呂に入ります 皆が
  入る風呂に 俺 駄目なんですよ 」
立ち上がった猛はシャツを脱ぎ背中を見せてきた
逞しい背中一面に描かれた彫り物を見て
啓子は思わず目を背けた

「 叔母さんもお袋と 同じ顔をするんですね 」
猛が寂しそうに呟く

「 お袋 これを見た時 叔母さんと同じ顔をして
  俯いてしまって 中卒の俺が生きる覚悟なんですよ 」 
猛は服を脱ぎ捨て 背中の不動明王を啓子の視線に晒したまま
外の露天風呂へ入って行った 啓子は脱ぎ捨てられた服を
纏めて仕舞うと 用意してある 風呂用の籠を持ち
部屋を出て 食堂の脇を抜け路地に出る

目の前に 細い登坂が見え その奥に二棟の平屋が
坂を下って行くと 平屋の建物が二棟 その先に
露天風呂の案内を見て 啓子は暖簾を潜った

昼の光の下の大きな露天風呂 掛かり湯をして
啓子は大きな露天風呂の中を歩んで行く
露天風呂から眼下の川の流れが見え
目の前には雄大な山並みが 緑の木々を見せて来る
湯船に体を沈め ほっと息を吐きだした
昨日荷物を纏めて家を出て 一夜を明かして
朝、猛と会い この宿に来た流れを思い返し

先ほどの猛の姿を思い出す
昨日会った時 猛が普通の仕事をしていない事は
解っていた 

それでも啓子の心の中では 小学生の
潤と猛を連れ ショッピングセンターで二人に
キャラクターシャツを合わせて 買い与えた時の
猛の嬉しそうな笑顔を 思い出していた

部屋へ戻ると 猛は椅子に座り ビールを片手に
窓の外を眺めている 部屋に入って来た啓子の気配に
笑顔で振り向き 

「 頂いてます おばさんは? 」
ビールの缶を持ち上げて見せ 啓子は首を振り
テーブルの前に腰を降ろした
猛は缶をテーブルに置き 立ち上がり

「 少し誠の処に 行って来ます 」
言い残して 部屋を出て行った
昼の日差しの差し込む和室の部屋に
取り残された啓子は 猛が座って居た椅子に
腰かけ 窓の外を眺めながら
明日からの 自分の身の振り方を
考えていた

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