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第10章 第10章 奈々
翌週

忸怩とした気持ちのまま毎日を過ごし、大志に思いを
吐き出したい気持ちを持ったまま過ごしていた奈々は
何時もの様に、顧客回りを終え会社に戻った、
机の上に張られたメモに 

ーー 帰社したら酒井の会社に電話を ーー

課長に今日の報告を済ませ机に座り
深呼吸を一つ吐き、受話器を持ち上げた ワンコールで
酒井の会社の受けが出て、自分の名前を告げ、酒井を
呼び出して貰うように頼み、電話が回され酒井の声が

「 今日はご主人出張だね、食事を〇〇ホテルの
  レストランで 6時半で良いかな? 」
優しい声音で誘って来る、奈々は誘いの言葉を聞いた時
受話器を持ったまま、社内を見回した、帰社した社員達が
机の上で報告書を作する姿、課長に報告する社員そして
この後飲みに行こうと相談している何時もの社内の
風景を見て、奈々は分かりましたと、小さく返事を返して
受話器を置き立ち上がった

入口で酒井の名前を出して、静かな店内に入る
係に案内され席に着いて、5分程で前に酒井が座り
テーブルの上に置いて有ったワインクーラーから
冷えたシャンパンがグラスに注がれ細かな泡が
細長いグラスの中を昇る、琥珀色の液体が喉を
通りすぎ、円やかな口当たりは、この1週間の
忸怩とした思いを薄れさせてくれた
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