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第2章 恵美子
晴夫夫妻も 後を付き 入口を入ると
細面の男性が いらっしゃいませと 晴夫を受付に案内して
宿帳の記帳を求め 晴夫は記入しながら 


「 今夜は?・・・ 」 小さく訊ねた

誠を見ると 誠が頷いて

「 ご主人こちらにも ご記入を 」
誠が耳元で 

「 お食事が終りましたら あそこに見える
 囲炉裏に 奥様と 来ていただけますか 」

「 他の、お客様も お見えに成ると思いますので 」

「 私が 3年物と一升瓶を 持ってきたら始めます 」

「 後は 私共が 旨くお誘いしますので
 ご希望通りに 行くと思います 」

「 有難う御座います 」
誠は恵美子に聞こえる様に 挨拶をして

「 今日は? 」 
晴夫が 取ってつけた様に誠に聞いた

「 はい おかげさまで 満室です 」
にこやかな顔で 誠が返し

「 どうぞ お部屋へご案内 致します 」

「 拓哉 案内して 」
誠に声を掛けられて 拓哉が傍へ寄って来て
恵美子の荷物を抱え拓哉の先導で 部屋に入った

12畳の部屋に4畳の板の間
向こうに 露天風呂が見え 
目の前の 濃い緑の山並みが迫っていた

「 こちらの 露天は何時でも 入れます 」

「 入口の 脇を通りますと当旅館自慢の 
 混浴の露店が 有ります 景色も良く 皆さん喜ばれます
 宜しかったら どうぞ 」
拓哉は 荷物を部屋へ運び込み 
混浴を勧めてきた
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