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第10章 第10章 奈々
手直の毛布を体に巻いて起き上がった 房江が物憂げに
起き上がり脱ぎ捨てた浴衣を纏い、真紀に浴衣を渡して
3人は部屋を出て、露天風呂に向かった 通路の上は
小さな屋根が続き、屋根の向こうを粉雪が舞い
吐き出す息を白く見せて来る、3分ほどの坂道を歩き
入り口で別れ 更衣室に入ると3つの籠が使われていた
手早く浴衣を脱ぎ冷えた体で露天風呂の石畳に足を踏み入れ
露天風呂の中で奈々を酒井と横川が挟んで入り
三人の視線が大志に視線を向けて来る
大志の視線を受けた奈々が顔を伏せ、掛かり湯を体に
掛け湯船に足を入れた時、ドアの開く音が聞こえ
房江と真紀が走る様に、露天風呂に駆け寄り 掛け湯をすると
湯船の中に体を入れて、大きく息を吐き出して

「 寒かった!! 」
大志に笑い顔を見せ 酒井達に目を向け奈々を手招きした
部屋から出て露天風呂に入るまで5分程、冬の雪国は
体を冷たくさせ、露天風呂のお湯が痺れる様な痛みを
肌に与え、お湯に馴染み始めると露天風呂の湯が体を
温め始め大志は雪が降り続ける、外の景色に視線を送った
真っ暗な外を露天風呂の小さな灯りが舞い落ちる雪を
浮かび上がらせ、かけ流しの湯の音だけ 聞こえて来る
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