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第13章 第13章 直美
3日後

雄介は何時もの様に 料理の提供を続け時刻は8時を
過ぎていた、今日は親方が居ない、料理の提供を
確認しながら、支持を出して料理の盛り付けを続けていると
仲居が調理場へ入って来て、

「 真島さんが菊の間から出て来ないんです 」
雄介は手元の 鉢肴の縁を拭い顔を上げた

「 真島さんお造りを、お席に持って行ったままで 」

「 女将さんは? 」

「 牡丹の間の社長さんの相手を・・ 」

「 女将さんを呼んで 俺も行くから 」
雄介は手拭いを畳み、調理場を出て菊の間に向かった
襖の前で声を掛けた

「 宿の物ですが・・・ 」
中から賑やかな声が聞こえ、雄介は襖を少し開け
もう一度声を上げた

「 失礼致します、宿の物ですが 」
中から、囃す様な声の後

「 用が有ったら呼ぶから、暫くこの部屋
  来なくて良いから!! 」
怒ったような声が聞こえ、雄介は襖を強く開け
座ったまま、室内を覗き込んだ、直美を挟んで
中年の男が直美の肩を抱き、お猪口を直美の口元へ
直美が顔を反らして、雄介に救いを求める様に
視線を向けて来た、雄介は立ち上がって部屋に入り

「 真島さん、次のお料理を運んでください 」
直美が体を揺すり男達の手が離れ、立ち上がって

「 済みません! 」
頭を下げ部屋から逃げる様に出て行く
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