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第13章 第13章 直美
雄介は料理の提供を終わらせ、隅で話している
女将に目を向けた、直美の肩に手を置き何か話しかけ
後ろで纏めていた髪が解け顔の前を長い髪が覆った
直美が目を擦り頷く姿が見えた

ーー

30分前 直美はお造りを3つお盆に乗せ菊の間の前で
声を掛け、何時もの様に頭を下げテーブルに近付き
お客様の前へと置いて行った、最後の一皿を出し終えた時
突然手を掴まれ、驚いて手を引こうとするが男の手が
強く握り、酒臭い顔を近付け、

「 お嬢さんお名前は? 」
アルコールの強い匂いに顔を顰め

「 真島と言います 」
小さく答えた、

「 真島・・何と言うの? 」
好色な顔が、嫌らしい笑い顔で聞いて来た

「 な お み  と言います 」
男の手は直美の手首をしっかりと握り肩に手が回って来た
直美は身悶え掴まれた手を外そうと藻掻き 前に座っている
男が立ちあがり直美の横に腰かけて

「 俺たち、男三人だから少しお酒のお酌をしてくれないか ?」
藻掻いている直美の肩を抱き、太腿に手を当て耳元で囁いて来る

「 わたし・・・叱られます・・・」
二人の男に挟まれ、太腿に当てられた手を外し
掴まれた手を振り解こうと藻掻きながら、直美は答え

「 俺たちに1杯だけお酌して呉れれば良いから 」
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