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第13章 第13章　直美

「　少し勉強してきます　」

直美は2階の自分の部屋に戻った、妹の部屋から
物音が聞こえ妹の部屋を開け、目を丸くする
白いシャツに黒ズボン姿の蒼汰が　大きなゴミ袋に
美奈の物を入れている処だった、目の前の袋の中に
美奈がベッドに乗せ大切にしていたぬいぐるみ達が
悲しそうに直美を見上げて来た、直美は黙って
ぬいぐるみの入った袋を手に取り、自分の部屋へ戻ると、
袋からぬいぐるみを取り出して、部屋の隅に並べて行った、
並んだぬいぐるみ達が直美を見て来る

・・・お姉ちゃん　ここ、教えて・・・・

ノックもしないで、机の横に教科書を抱え話し掛ける
美奈の声が聞こえる様に
クマさんが、ウサギさんが、ワニさんが語りかけて来た

「　美奈！！！・・・・　」

ぬいぐるみ達を抱き上げ　ベッドに座り涙が溢れ
我慢して、我慢して、耐えていた嗚咽が　堰を切った様に
溢れ出て来ていた、美奈の好きだったクマさんに顔を埋め
ウサギさんとワニさんを抱きしめ、声を上げ泣き続ける　

　ミナー
　　　　　おかあさん
　　　　　　　　　　　　　お父さん

呼んでも・・・・　

返事は・・・・・

　　　　　　　　返ってこない・・・・・・・