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第13章 第13章 直美
リビングで缶ビールを煽る 太一の傍に梨沙が座り
テーブルの上の煙草に手を伸ばして火を付け
深く吸い込み、紫煙を吐き出して 太一に笑顔を見せた

「 何だ 嬉しそうに 」
太一が飲みかけの缶ビールを差し出す
梨沙は手を伸ばして、受取り一息で空け

「 お義姉さん 大事な物一ヶ所に置いて
  呉れてたから、助かった 」
目を輝かせて太一を見る、太一は話を続けろと
促す様に梨沙を見て、煙草に火を付けた

「 貯金通帳が有ったの、幾ら貯めてたと思う ? 」
悪戯な目で、嬉しそうに太一に問いかけた

「 500万位か? 」
太一は目を光らせ 梨沙に聞いた、
首を振った梨沙が指を2本立て 嫌らしい笑い顔を見せる

「 200万か 」
少しがっかりした顔で 太一が呟き、梨沙が笑い顔で
大きく首を振った

「 2000万・・・・ 」
驚いた様に梨沙に聞き返し、頷く顔を見て太一は
満面の笑みで梨沙に缶ビールを差し出した 梨沙は
咥えていて煙草をテーブルの上の小鉢の中で揉み消して
缶ビールのプルトップを引いた

「 お義兄さんの生命保険が5000万、お義姉さんの
  生命保険は安かったは、600万 それとお義兄さんの
  会社から退職金も出るでしょう、この家のローンは
  お義兄さん一人のローンに成って居るから、ローンも
  払わなくて良いの、不便な処だけど、タダでこんな良い
  家に住めるなんて、夢みたい 」
梨沙はビールを抱え太一の胸に背中を当て足を投げ出して
煙草に手を伸ばしていく
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