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第13章 第13章　直美

6時　目覚ましの音に慌てて起き上がり　普段着を着て
音を立てない様に足音を忍ばせ1階へ、洗濯機から洗い終わった
衣服を籠に入れて庭先に出た、冬の冷気が直美の体に襲い掛かる
手を擦り合わせ、籠から取り出した服をタオルを下着を
物干し竿に干して行った、微かに朝の光が庭先を明るくさせ
母親が植えていた椿の花の赤い色を庭先に見せて来た

センター試験が終わり、直美は何処かホッとしていた
１階から梨沙の呼ぶ声に降りて行くと、煙草の煙が
リビングに縞模様を描いている、梨沙たちがこの家に来て
２週間、直美はまだ煙草の匂いに慣れていなかった
梨沙の手招きで　テーブルに座る　太一と梨沙が前に座り

「　直美ちゃん　お父さんの事知ってる？　」
直美は梨沙が何を聞いているのか判断できず
首を振った

「　今日ね、男の人が訪ねて来たの　」
梨沙は手元に置いた紙を差し出して来た　そこには
借用書　金2000万円　と書かれ　父親の名前と
印鑑が押してあるコピーだった　首を振り梨沙を見て　

「　知らないです、　」
困惑した顔で梨沙を見た

「　その人がね　毎月10日に　10万円返済されているのが
　　今月の分がまだ払われて居ないと言われてね
　　私達慌てて銀行へ行って、私達の貯金を卸して
　　支払って、コピーを貰ったの、直美さん
　　お父さんかお母さんから何か聞いてる？　」
直美は首を振った