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第13章 第13章 直美
「 お父さん達の貯金も 50万位しか残って無くて
  此処のローンが毎月10万円払っていたの
  知ってた、知らないよね、 」
直美が首を振る姿を舐める様に見た、梨沙は
テーブルの上の煙草に手を伸ばして、火を付け
紫煙を天井に吐き出し、直美に顔を向けて

「 そう言う訳で、毎月20万円は生活費以外に
  要るのよね、この人も今仕事を探しているけど
  中々見つからないの、私も来月から
  仕事を探すけど、直美さんお願いが有るのだけど 」
煙草の火をいつ買って来たのか 大きなガラスの灰皿で
揉み消して座り直して

「 学校卒業したら、働いて貰えないかな
  私達の貯金で、貴方を大学に行かせて上げられないの
  ゴメンナサイ、」 
梨沙が目に涙を浮かべ、申し訳なさそうに言って来た
直美は目の前の借用書と、自分の家の経済状態を
初めて聞いて、絶望の底へ落とされ、進学の夢が
絶たれた事を理解して俯いたまま頷いた、

「 おやすみなさい 」
直美は俯いたまま、肩を落として2階に上がって行く
後姿を咥え煙草で梨沙は 笑いを浮かべ見送り
太一に顔を向けた

・・・上手く行ったでしょう・・・
テーブルの上の缶ビールを一口飲んで 笑い顔を
見せ、太一もニヤリと笑みを浮かべて ビールに
手を伸ばした
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