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コンビニエンス好きな女
第1章 コンビニエンス好きな女…
 ②

 僕がバイトしているコンビニエンスストアーは、駅前土地再開発で建て直した築5年位の20階建てのマンションの1階にある。

 このマンションの1階フロアはこのコンビニエンスストアー、不動産会社、美容室兼エステサロン、歯医者、24時間スポーツジムのテナントが入っている…
 が、あと一カ所テナントに空きがあったのだが、最近内装工事が始まっていた。

 そして僕の大学もその駅前、このマンションの隣に立地していた…
 だから大学、バイトは徒歩30秒圏内で、コンビニエンスストアーならぬ、コンビニエンス(便利な)立地なのだ。

 ちなみに僕のアパートはこの駅前から徒歩約15分…
 ところがこのアパートが近々、区画整理に掛かり立ち退きが決まったのである。
 そしてその補償金が出る事になり、急遽アパートを探す羽目になったのだ。

 卒業まで後約8か月あまり…

 単位もほぼ修得したしそれ程授業も無いから、いっそのこと実家に戻ろうか、とも考えたのだが、この大学の地元にある大手企業に就職が内定したので…
 とりあえずもう一度借りる事にしたのである。

「じゃあさぁ隣の不動産会社に訊いてみたら?」
 バイトの先輩がそう言ってきた。

「あ、そうかぁ、隣の不動産会社かぁ」

「それに意外に隣割り引きあるかもよぉ」

「あ、いや、さすがにそれは…」
 それは無いであろうが、隣の社員もほぼ常連さんではあるから何かしらの特典があるかもしれない…

 そして次の日…

 さっそく大学の授業が終わってから、不動産会社を訪れる。

 僕は基本夕方からの夜のシフトなのだが、結構、この不動産会社の社員さんは夕方もコンビニに来店していたから…
 何人かの顔見知りの社員がいた。

「いらっしゃいませ、どのような物件お探しですか?、あ、隣のコンビニの?」
 と、さっそく迎えてくれた推定25、6歳の綺麗な女子社員さんがそう言ってきた。

「あ、はい、隣のコンビニでバイトしてます」
 僕もそう言って、この引っ越し事情を説明する。

「はい存じてます、やはり、この前、そこの住民の方がご来店くださいましたから…」
 そして僕はある程度の条件を述べ、物件を探し始めていく。

 そして約30分が経過し…
 なかなか好条件の物件が見つからず、ふと、この不動産会社の中を見回していく。

 あっ…

 すると…




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