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Dear.M ~例えばこんな風に貴女を壊す~
第5章 お友達
「へへ…二人ともワタシを受け入れてくれて…なんか嬉しいですね……」

美海さんがソファでスペースを作って座ってる。
ワタシが隣に腰を下ろすとワイングラスに白ワインを注いでくれた。

「はい、どうぞ…ワインとかあまり飲まないから美味しいかどうかわかんないけど……」

「フランス産ですね……あ、きっと大丈夫ですよ…この葡萄の品種…好きなんで……」

「詳しいんだね……」

「まぁ、一応職業柄……」

カチンとグラスを併せて口に運んでいく。
やっぱり美味しかった。

「うん、美味しいですよ……」

「ほんと…なんかすっきりしててフルーティー……」

キウイとパイナップル、そしてチョコレートがテーブルに並んでいた。

ワタシが小さなフォークでパイナップルを頬張る。

「甘~い…ワインにフルーツって合いますよね……」

「ほんと…よかった……普段は飲んでもチューハイの甘いやつばっかりだから…ほんとによくわからなくて……」

「別にチューハイでよかったのに…ほろ酔いシリーズとかワタシも好きですよ……はい、美海さん…あ~ん……」

「え、え?…そんな、恥ずかしいよ……」

フォークに刺さったパイナップルが私の口許に運ばれてくる。

「だぁめ…美味しいから食べて……」

「もう…はい…あ~ん……」

パイナップルを噛みしめる私を天音ちゃんはずっと見つめてる。

「美味しい?……」

【小悪魔じゃんか……】

私は頷きながら飲み込んでいった。

「はい、口の中に甘味があるうちにワイン飲んで……」

言われるがままにワインを口に含んでいく。
甘味と爽やかな酸味が口の中で溶け合うみたいに拡がっていった。

「うわ…なにこれ…美味しいんだけど……」

こんな風にワインが美味しいと思ったことなんて今までなかった。

「でしょ?……マリアージュって言うんですよ……」

次はこれよと天音ちゃんはチョコレートを摘まんで待ち構えている。

「あ~んして……」

「…ぁ、あ~ん……」

摘ままれたチョコレートが指先ごと私の口に入ってきた。

【離さないの?……】

舌がチョコレートを迎えにいってしまう。
天音ちゃんの指が舌に触れていた。

【お願い…チョコ……離して……口閉じさせて……唾液溢れそ……】

ワタシはチョコが溶け出すのを待って指を離した。
人差し指と親指に溶けたチョコが溶け滲んでいた。
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