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Dear.M ~例えばこんな風に貴女を壊す~
第6章 蜜月
「そっか…来週はゆっくり会えないんだね……週末は同窓会だし……」

「へぇ…同窓会があるんですね……」

【そういえばブログにそんなこと書いてあったような……】

元カレが来るとか来ないとか、常連さん達と盛り上がっていたような。
美海さんをワタシに夢中にさせることに躍起になって忘れていた。
旦那様との赤裸々日記を投稿して…
旦那様愛を公言しているのだ。
ワンナイトなんて、ちょっと考えられないなと思った。

「そう…中学の時の…元カレとかに会ったらどうしよう……」

美海さんはワタシに何か言わせたいらしい。
悪戯に覗き込んでくる。

「…ねぇ…美海さん……飲み過ぎて羽目を外し過ぎたらダメですよ……」

口にしてみると、急に不安になってくる。
確か、お酒は弱いと言っていたはずだ。

「天音…心配してくれてるの?……」

なんだか嬉しそうでしゃくに触る。

「旦那様を裏切ったりしないですよね?……それにワタシもいるんですから……元カレかなにか知りませんけど……ワタシはもう美海さんのことマジなんで…裏切ったら許さないから……」

ワタシは真剣に見つめていた。
美海さんは、ちょっと驚いたように見つめ返している。

「ちょっと…冗談だよ……ふふ…でもうれしいっ……ちゃんと心配してくれてるんだね……」

「当たり前です……ワタシはワタシの好きなものを横取りされるとかほんと許せないんで……」

「怒んないでよ…しないって……でも、彼と比べなかったら浮気じゃないって…誰かさん…言ってなかったっけ?……」

「はぁっ…もうっ……それはワタシだけのことですっ……ワタシ以外は全部浮気だから……ご馳走さまでした……」

ワタシはちょっと苛立ってしまった。
それが美海さんには嬉しいらしい。
全然慌てる様子がない。

【こういうところは大人なんだから……】

「ご馳走さま…ほんとに美味しかったです……あ、洗い物は私がするね……」

そう言った美海さんから主導権を取り戻す。

「いいんですか?……時間…勿体なくありません?……」

美海さんはハッとした顔をする。

「ワタシは助かるからいいんですけど……」

「もう…天音の意地悪っ……片付け…お願いしていい?……」

クスッ……

「続きがしたいんでしょ?…でもその前に……」

ワタシは美海さんと手を繋ぐと、寝室ではなく洗面台へと向かった。
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