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12歳年下の彼に看病される話
第5章 芸術の秋…とかしてみたり
港斗君…口紅…いつもと違うって
気付いてくれた…。
それだけでも、巴は嬉しいと
思ってしまって居たのだが。
可愛いし素敵だって言って貰って。
港斗の車の助手席に座ってからも、
巴は上機嫌でニコニコしていたのだが。
『でも…今日はお天気が良くて、
コスモス見るのに、丁度いいですね』
県内には幾つか、コスモスで有名な場所があるが。
今向かって居るのは、隣の市にある
とある地区だ。
公園とか植物園じゃなくて。
とある地区がその会場になっていて。
使っていない空き地や田んぼや畑に
コスモスの種をまいて。
隣接する2つの地区のあちこちに
そう言ったコスモス畑が集中している。
その数約300万本…あるらしいから。
県内の他の有名な場所に比べても、
その地区は圧倒的に数が多い。
そして…驚く事に…コスモスを見世物に
客寄せをしてる地区は他にもあるのだが
その時期は駐車料金を取ったり、
地域への入場料金を取ったりする場合が
殆どであるのにたいして。
その地域は地域の中にある
会社や工場の駐車場を週末に
その為に無料開放していたりしていて。
駐車料金も、入場料も無料なのだ。
タダより安いものは無いと言うけど、
県内からも県外からも多くの観光客が
コスモスの時期には訪れる。
車で30分程ドライブをして、
その地域が近付くと、
車が…駐車場へ向かって
数珠繋ぎになって居るのが見えて居て。
観光客の車を誘導しているのも、
どう見てもこの辺りの近所の人って感じで。
私達が案内されたのは、
その地区の中にある、神社の駐車場だった。
『ようこそ、いらっしゃいませ。
どうぞ、こちら美咲地区の地図です』
そう言って声を掛けてくれたのは
高校生ぐらいの男の子で。
手書きのこの地区の地図が
印刷された案内マップを配っている様だった。
その手書きの地図には、
休憩できるベンチが設置されている場所や、
フォトスポット、出店がある場所や。
おトイレを貸してくれる場所。
お食事が楽しめる場所などが書いてある。
駐車場の所には募金箱が設置されていて。
この地区でのコスモス祭りを
この先も続けて行けるように
料金として徴収するのではなく、
お気持ちを納めて貰う形を取っている様だった。