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12歳年下の彼に看病される話
第6章 11月の出来事
熱が上がり切る前にと、
頓服で処方して貰った
カロナールと一緒に、
トラネキサム酸も飲んだ。
そう言えば、薬剤師の人が
全国的に咳止めの薬が在庫不足で。
処方が出たとしても、
お渡しできないかも知れないって。
そんな話をしていて。
今の所は、熱と喉の痛みだけで。
咳はそんなに気にならないので。
「とりあえず…片付けだけして…
ちょっとだけ、横になろうかな…?」
港斗君は確か前にお昼休みは13時からって
言って居たから、それまでちょっと
ベッドで横になって休む事にして。
そのまま寝過ごさない様に、
アラームをセットしてベッドで横になった。
アラームで13時に目を醒まして。
今はお昼休みの時間の彼に電話を掛ける。
数回の呼び出し音の後に、通話が繋がって。
「あ、港斗君?今、電話大丈夫?」
『はい、大丈夫ですよ?
巴さん、熱は大丈夫な感じですか?』
「それは今は、8度ちょっとで
さっきお薬貰ってたの飲んだから、
大丈夫だとは…思うんだけど…ッ」
『それよりも、巴さん、
夜は、何か食べたい物ありますか?
食欲はある感じです?
お昼は食べれましたか?』
電話の向こうの彼は、
こっちがインフルだって言ったのに
仕事が終わったら来る気満々で。
「いや…だからね?大した事ないから。
お見舞いとか、様子見に来たりとか
しなくても、良いから。
うつしちゃったら、大変だし。
来て貰わなくても、大丈夫だからね?」
『そんなの、今が大丈夫でも、
夜中に高熱が出るかも知れないでしょ?
あ、ちょっと…待って下さい。
呼ばれてるみたいなんで、行って来るんで。
じゃあ、僕が、
…巴さんの事…看病しに行きますね』
ツー、ツー、ツー。
そう言うだけ言って、通話は切れてしまって。
「だから…インフルエンザだって、
言ってるのに…、来なくて良いんだってば…」
LINEの通知音が鳴って、
港斗君からLINEが来ていて。
巴さんは、しっかり休んで
寝てて貰ったら良いので。
チェーンだけ…掛けないで置いて下さいねと。
ダメ押しの様な、LINEが来ていて。
了解と…返すしか…
巴には出来なかったのだけども…。