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~疼き~
第2章 追憶

蒼は生あくびをしながら信号が青になるのを待っていた。
ようやく信号が青になったので横断歩道を渡り始めた時だ。

1台の車が信号を無視して横断している蒼めがけて突っ込んできた。
蒼は訳が分からない状態で道路の遥か向こうへと弾き飛ばされた。

一瞬の出来事だった。
蒼は冷たいアスファルトに倒れていた。

直ぐに近くに居た人が119番通報して救急車を呼ぶ。
それと同時に警察も呼んだ。

蒼はアスファルトの上で倒れたまま動かなかった。
事故現場は大勢の野次馬やら警察関係者や救急隊員の人たちで溢れかえっている。

数分後、救急車がやって来た。
動かなくなっている蒼に救急車の救急隊員が呼びかけている。

「大丈夫ですかー?動けますか?」

その声に全く蒼は反応しない。
救急隊員は直ぐにストレッチャーで蒼を救急車に載せた。

この時、心肺停止状態だと救急隊員は気づく。
病院に着く間、蘇生処置を施すが心臓は二度と動くことをしなかった。

車に弾き飛ばされた蒼は即死状態だったのだ。
だが、救急隊員は病院へと蒼を運んでいった。

病院に運ばれた後、医師は蒼の死亡を宣告する。
蒼はあっけなく、帰らぬ人となってしまったのだった。

警察は遺留品から夏海の連絡先を知る。
夏海の職場は市営地下鉄線のセンター南駅前のビルにあった。
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