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~疼き~
第4章 たまごサンド
珈琲を飲みながら夏海が言う。
「本当に早いな…、もう2年なんて…」
「二人とも意地っ張りだったからねぇ…」
香織はそう言うとドーナツを食べながら笑うのだ。
「そうね、本当にお互い意地っ張りだったと思う…」
夏海がポツリとそう言った。
香織は珈琲を飲みながらこう言ってきた。
「夏海、自分を責めたらいかんよ?」
夏海は自分の心を見透かされている様な気がしてハっとした。
「え?そんなことないよ。責めてなんていないから…」
ちょっとビックリしてこう答えた。
香織は夏海の顔をじっと見つめている。
何かを見ている様だった。
香織は不思議な能力を身に着けている女だった。
少しばかり、相手の心の中が見えるのだ。
その香織がこう言ってくる。
「蒼くんはね、夏海に自分を責める事はしないでくれ…って言ってるわよ」
「え?蒼が?」
「うん、私が今見たところによるとね…」
「蒼の言ってる事が分かるの?」
「うん、少しだけね。ちょっと心の中が見えるの…」