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第6章 告白

浩二と飲みに行く土曜の日のお天気は良かった。
まだ、梅雨には入っておらず、春の残り香が漂っていた。

そんな春の残り香漂う土曜の夕方。
夏海は浩二とあざみ野の駅前で待ち合わせをしていた。

浩二の自宅は川崎の多摩区だった。
そこからあざみ野まではかなりの距離がある。

夏海は飲む場所はあざみ野でなくても構わないと浩二に話したのだが、浩二はあざみ野まで出てくると言って聞かなかった。

あざみ野の改札で待つ事数分。
浩二らしき男が改札口から出てくるのが見えた。

仕事柄、介護士は体力を使うからだろうか。
浩二はかなりがっしりとした体育会系の背格好をしていたのだ。

夏海は浩二と会うのはこの日が初めてだった。
写真で見ていたよりも体格が良いのに驚いていたのだ。

「夏海さんですよね？鈴木です…」

そう、声を掛けられた。

「そうです、白石です。鈴木さんですね？」
「そうです、鈴木です。待ちましたか？」

「いえ、今来たばかりなので…」

そう二人は話すと歩き始めた。
あざみ野の駅周辺にはかなりの飲み屋があった。