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~疼き~
第7章 LINE
寛貴とLINEのやり取りをして数週間が経っていた。
季節は鬱陶しい梅雨が明け、暑い7月を迎えていた。
7月と言えば夏海と蒼の誕生月だ。
この日が近づくと、夏海の心はとても重くなってしまうのだ。
蒼が生きていれば39歳になるはずだ。
そのことを想うと夏海は自分をどうしても責めてしまう。
あの時、蒼を突き放してしまった事を後悔していたのだ。
寛貴にも蒼の事は話してあった。
それを聞くと寛貴は“ふーん、”という様な感じで受け流した。
そんな、いつもの様にLINE電話をしている時だった。
「もう少しで、夏海、誕生日じゃん?」
「そうだね、また歳取っちゃう…」
「いいじゃん、段々と脂の乗ったイイ女になっていくんだからさ」
寛貴はそう言うと電話の向こうで笑っていた。
年上の女性に対して抵抗などは殆どない寛貴だった。
むしろ、年齢を重ねる毎に、女は成熟して良い香りを放つものだと思っていたのだ。
なので、夏海が歳を取ることに抵抗はなかった。
だが、夏海は蒼の事をズルいと思っていた。
もう蒼は永遠の36歳のままなのだ。
そう、彼はもう永遠に歳を取らない。
でも、自分はこれから先、ひとりでずっと歳を重ねていかなければならないと思っていた。
季節は鬱陶しい梅雨が明け、暑い7月を迎えていた。
7月と言えば夏海と蒼の誕生月だ。
この日が近づくと、夏海の心はとても重くなってしまうのだ。
蒼が生きていれば39歳になるはずだ。
そのことを想うと夏海は自分をどうしても責めてしまう。
あの時、蒼を突き放してしまった事を後悔していたのだ。
寛貴にも蒼の事は話してあった。
それを聞くと寛貴は“ふーん、”という様な感じで受け流した。
そんな、いつもの様にLINE電話をしている時だった。
「もう少しで、夏海、誕生日じゃん?」
「そうだね、また歳取っちゃう…」
「いいじゃん、段々と脂の乗ったイイ女になっていくんだからさ」
寛貴はそう言うと電話の向こうで笑っていた。
年上の女性に対して抵抗などは殆どない寛貴だった。
むしろ、年齢を重ねる毎に、女は成熟して良い香りを放つものだと思っていたのだ。
なので、夏海が歳を取ることに抵抗はなかった。
だが、夏海は蒼の事をズルいと思っていた。
もう蒼は永遠の36歳のままなのだ。
そう、彼はもう永遠に歳を取らない。
でも、自分はこれから先、ひとりでずっと歳を重ねていかなければならないと思っていた。