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~疼き~
第7章 LINE
「蒼はズルい…」
そう一言呟いた。
「え?前の彼氏の話し?」
「う、うん、そうだけど…」
「今でも、好きなの?」
そのことに答えることができないでいた。
「もう、その彼は死んでしまってこの世にはいないんだよ?もう2年も経ってるじゃん。何故、いつまでもその人に拘るのか俺には分からないんだけど?」
ちょっと電話の向こうで寛貴が怒っているように夏海は感じていた。
「そうだよね…」
夏海はそう言ったが、心の中は自責の念でいっぱいだった。
寛貴が電話口でため息をついていた。
「その、彼に何をしたい訳?」
「え?あの時、何故あんなに怒ってしまったんだろう?って未だに思うんだ…」
「そうやって、一生自分を責めて生きていくんだ?」
「え?そんなことないよ…」
「だってそうでしょ?いつまでも夏海は自分を責めてるじゃないか!!」
寛貴がちょっと怒ったように言ってきた。
夏海は答えることができなかった。
確かにそうなのだ。
夏海は自分でもそれは分かっていた。