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~疼き~
第9章 出逢い
そんな蓮を夏海は益々気に入ってしまった。
こんなにも簡単に相手が見つかるとは思ってもいなかった。
蓮は5人兄妹姉妹の末っ子だった。
蒼も4人兄弟姉妹の末っ子だった。
やはり、どこか蓮は蒼に似ていると夏海は思っていた。
蓮の両親はすでに他界していた。
それも、蒼と同じだと思っていた。
ここまで共通点が多いとちょっと気味悪く感じてしまう。
違っていたのは誕生日だけだった。
蓮の誕生日は3月だったのだ。
蓮が電話の向こうからこう言ってくる。
「俺、夏海と会ってみたいよ…」
「うん、私もだよ…」
「俺さぁ、仕事の有給スゲー余ってるんだよな…」
電話の向こうで大あくびをしているのが分かった。
蓮の職業は介護士だ。
浜松でグループホームの介護の仕事をしている。
おばあちゃんからはモテモテだった。
おじいちゃんからは頼りにされている。
「俺さ、有給3日くらい取るからさ、夏海に会いにいってもいいか?」
夏海はそれを聞くととても嬉しくなった。
「ええ、私も仕事土日挟んで金曜か月曜にでも休みを取れるようにするから…」