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青い欲情~男と女の色模様~
第7章 おねえさんと再び
喫茶店に飛び込むと
奥のテーブルから僕を見つけてくれて
立ち上がって手を振ってくれた。
いろんな女性が店内にいたけど、
おねえさんは格別に綺麗だった。
僕がおねえさんのテーブルに近づいてゆくのを
周りの男どもが羨望の眼差しを向けてくる。
『ざまあみろ!僕は、おねえさんとエッチする間柄なんだぞ』と
優越感に浸りながらおねえさんと向かい合わせに着席した。
おねえさんは、僕の顔を見つめるなり
涙をポロポロとこぼした。
周りから見てみれば、僕がおねえさんを泣かせたみたいだ。
「ちょ、ちょっとどうしたの?
泣かないでよ」
僕はポケットからくしゃくしゃのハンカチを取り出して差し出した。
チラッと、そのハンカチを見ると
いらないとばかりに首を振って
自分のバッグから綺麗に折り畳んだピンクのハンカチを取り出して目を押さえた。
なんだか、そんな汚いハンカチなんて使えないわと嫌われたみたいで、ちょっとだけショックだった。
「どうして泣きだしたゃったの?」
おねえさんが泣き止むのを待って
僕は涙の訳を聞いてみた。
昨夜は担任の磯田に誘われて
さぞかしご馳走をいただいた筈だろうに
涙の訳を知りたかった。
「ううん。なんでもないの…
明人の顔を見たらホッとしちゃって」
泣き顔が消えて
またいつもの綺麗な笑顔を僕に見せてくれた。