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青い欲情~男と女の色模様~
第8章 親父と沙織の関係

電車に乗り込もうとして
扉は違うけど同じ車両に乗り込む父を見て
『おいおい、何も同じ車両を選ばなくてもいいじゃん』と辟易した。

違う車両に行きたかったけど
後ろからドドドっと押されて
僕は仕方なく車両に乗り込んだ。

LINE交換するまでは
この車両で沙織と合流するのが僕らの会瀬の一つだったので、辺りを見回したけど見当たらない。

この電車に乗るのさえ嫌だって言うのかよ!

僕は未練がましいとは思ったけど
背伸びをして車両内をくまなく探した。
そして『あっ!いた!!』
僕は思わず小さくガッツポーズをしてしまった。
沙織が車両の一番隅っこで、
つり革に手を伸ばして立っているのを見つけたからだ。

なんとか人を掻き分けて沙織の元に行こうと考えたが、なんと、彼女の隣に父親が立っていたのでビックリした。

これじゃあ、人を掻き分けて彼女の傍に言っても
父の目を気にして話さえも出来ない。

何も出来ないまま、
沙織が降り立つ駅に着いてしまった。
僕も同じように降りて沙織と肩を並べて少しでも一緒にいたいと思ったが、
次の瞬間、僕は愕然とした。

なんと、沙織が父に肩を抱かれて
二人で仲良く改札に向かい始めたからだ。

沙織が父と同じ会社で働いているというのは
昨夜、父から聞かされたけれど
肩を抱かれて歩く姿は、どう見ても上司と部下の関係ではなかった。

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