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青い欲情~男と女の色模様~
第8章 親父と沙織の関係
沙織と部長の春彦との関係は二年に及ぶ。
あれは、沙織の不手際で会社の取引先と小さな揉め事があった時の事だ。
「なんにせよ、悪いのは弊社だ…
ここは一つ、部長の僕が顔を出して詫びてこよう」
さあ、当事者の君も同行したまえ。
そう言われて、
沙織は部長と一緒に得意先の会社に頭を下げにゆくことになった。
相手先から罵倒される覚悟もできていた沙織だったが、
相手の会社の担当者というのが部長の大学時代の後輩ということで、わざわざ春彦が頭を下げに来たことで怒りもどこへやらで
反対に相手先が恐縮して頭を下げた。
「どうでしょう…
今回は私の顔に免じてお許し願えませんか?」
「そんな!そんな!
どうぞ、お顔をおあげください
先輩にこうしてご足労いただいただけで充分ですから…
ええ、仕事上のトラブルなんて日常茶飯事ですよ、売掛金の補正さえしていただければ当方としては何ら問題ありませんから」
電話では声高らかに罵声を浴びせかけてきた先方の担当者も、部長が頭を下げることで丸く収まった。
「部長…本当に申し訳ございませんでした」
「気にしなくてもいいよ
僕の頭は、こんなときに下げるためにあるんだからね」
トラブルを収めてしまい
気遣ってくれる春彦に、沙織は胸がキュンとときめいた。