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青い欲情~男と女の色模様~
第8章 親父と沙織の関係
「どうする?
今から会社に戻っても終業時間に間に合いそうもないし…
このまま直帰するかい?」
「あの…ご迷惑でなければ
お詫びとお礼を兼ねて、手料理でお食事をしてくださいな」
「えっ?本当かい?
いやぁ~、嬉しいねえ」
部長は断るどころか
大いに乗り気で沙織のマンションに付いてきた。
「どうぞ、散らかってますけど…」
「いやいや、独り暮らしにしては片付いているよ。
うちの女房なんて結婚前の部屋に訪ねてみたらゴミ屋敷だったからねえ」
春彦は、まるで自宅に帰ってきたかのように
スーツの上着を脱いでネクタイを弛めた。
「お鍋にしようかと思うんですけど…」
ちょうど冷凍庫にズワイガニが残っていた。
「鍋か!うんいいよねえ!」
待ちきれないとばかりに
春彦はワイシャツの袖のボタンを外して腕を捲った。
そんな何気ない動作に沙織は春彦の男の色気を感じた。
鍋スープを使った即席だけれど
カニが好きだと言って春彦は旨そうに平らげてくれた。
ビールも何本も空にした
二人の間に親密な空気が流れ始めた。
「ふう~…食った、食った!」
春彦は満腹になったと席を立つと
自然な動作で沙織の背後に回った。
「なあ、人間の三大欲って知ってるかい?」
「ええ、知ってます
食欲に睡眠欲に…」
「そう、もう一つが性欲だよ」
その時、視界の端にうつった腕に気付く暇もなく、沙織の身体を軽い衝撃が襲った。