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青い欲情~男と女の色模様~
第9章 図書室にて
昼食時間になると
美波が弁当箱を手にして
「ねえ、お弁当を図書室で食べない?」と言ってきた。
「図書室?あそこは飲食禁止だろ?」
「閲覧者はね。
ほら、私さあ、図書委員でしょ?
今日は当番の日なのよ
委員は図書室の中に委員室があるから、そこで食べてもいいことになってるのよ」
「へえ~、そんな部屋があったのかぁ…
面白そうだけど、僕みたいな部外者も立ち入っても平気なのかい?」
「本当はダメだけどね…
でも、明人とお昼を一緒にしたいのよ
ねぇ、お願い!付き合ってよぉ」
そこまでお願いされちゃイヤとは言えない。
僕も弁当箱を手にして教室を抜けようとした。
「おいおい、文化祭の委員会も解散したのにラブラブだねえ~、お前たち、もしかしてデキてるんじゃないか?」
悪友が僕たちを囃し立てる。
「そんなわけねえだろ!」と
むきになると帰って怪しまれるし
どうしたものかと困っていると。
「残念でした
文化祭委員の反省会とかあるから
もう少しペアを組まなくっちゃいけないのよ」
美波が、すかさず上手い口実を言ってくれた。
「反省会なんてやってないってすぐにバレるぞ」
廊下を小走りしながら
美波の嘘なんてすぐにバレちゃうなと
僕は危惧した。