この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
青い欲情~男と女の色模様~
第10章 資料室にて
「それに…君の作成した会計報告書だが…
ここんところの数字が合わないよ」
ほら、見てごらんと
春彦は一枚の用紙を沙織に見せた。
「えっ?」
沙織は用紙に書かれている文章を読んで驚いた。
- 今すぐセックスをしよう! -
てっきり計算間違いだと思っていたのだが
その書類にはセックスのお誘い文が書かれていたからだ。
「今から資料室へ行って数字の見直しをしようじゃないか」
春彦は部内の社員に聞こえるように
わざとらしくそう言った。
「いいね?
じゃあ、資料室へついてきたまえ」
本当は今すぐにでも手を握って
腕を組みながら資料室へ行きたかったが
私は怒っているんだぞというように
わざとドスドスと足音を立てて
沙織を引き連れて資料室に向かった。
沙織を資料室に連れ込むなり
春彦はドアに施錠して誰も入ってこないようにした。
「春彦?ここで?」
「ああ、ここで抱かせてもらう」
春彦はガシッと沙織を抱き締めて
熱いキスを落としてやった。
唇が離れるや否や
春彦は不安に思っていることを沙織に尋ねた。
「お前、俺に黙って社内恋愛しているんじゃないだろうな?」
「社内恋愛?いいえ、していません」
沙織の答えを春彦はじっと目を見て確かめた。
沙織の目は嘘偽りのなくまっすぐ春彦の瞳を見つめている。