この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
青い欲情~男と女の色模様~
第12章 美波の母 明江
「いえ、本当に何でここに呼び出されたのかわからないんですけど…」
「ほう…シラを切るってのか?」
紹介しよう…こちら美波のお母さんだ。
磯田に紹介されて
とりあえず僕は美波のお母さんに頭を下げたけど
お母さんは僕をずっと睨み付けていた。
「明人…お前、夕べは誰と下校した?」
そう聞かれて『はは~ん、美波絡みの件だな』と
僕はおよその検討をつけた。
「美波さんと一緒に下校しました
下校時間が遅くなって、すっかりと暗くなったので、途中まで美波さんを送っていったんですけど…それが何か?」
「送ってあげたねえ…
送るついでに送り狼になっちまったというわけか?」
「送り狼?何ですかそれ?」
「とぼけないで!」
それまでじっと僕を睨み付けていた美波のお母さんは突然に耳がキーンとなるような大声で怒鳴った。
「まあまあ、お母さん、ここは落ち着いてください」
磯田が困った顔でお母さんをとりなした。
「先生も先生です!
どうして、この生徒の親御さんを呼び出さないんですか!」
今度は磯田に食って掛かる。
「いえ。まずは本人の口から真相を聞き出さない事には…」
「ちょっと待ってください!
僕は何もしていませんよ」
「まあ!いやだ!まだ知らばっかれるの?
私、見たんですよ!
あなたとうちの美波が…その…同じトイレの…個室から出てくるのを!」
顔を真っ赤にして
お母さんは今にも卒倒しそうだ。