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青い欲情~男と女の色模様~
第15章 告発状
「そう言ってくれるのは嬉しいけど…
私、まだまだあなたのことを知らないわ
若い時のように好いた惚れたで一緒になれるものじゃないの」
清美の頭の中には経済的な事もよぎった。
春彦はそれなりの企業に勤務して部長職という要職について稼いでくれる。
それなりに不自由ない暮らしをできるのも春彦という稼ぎ頭がいてこそだ。
「僕のことを知りたい?
何が知りたいっていうんだ
体を重ねあって相性も抜群だとわかっているんだ、それだけで十分だろう」
な、悪いことは言わない。
俺と家庭を持つことを考えておいてくれよ。
それに…と
彼は言葉を繋いで「きっとあなたは旦那と別れる事になると僕は予想しているんだけどね」と
根拠のない自信のようなものを覗かせた。
「さ、姫始めも済んだことだし
初詣に行きましょうよ」
清美はベッドを抜け出して、肌襦袢の乱れを整えて、着物の着付けを始めた。
「わかったよ…
でも、僕は何がなんでもあなたを諦めませんからね。たとえ、どんな手を使ってでもあなたを僕のモノにしてみせる」
新春の初詣に出かけるというのに
彼はいつもと同じようにスポーツウェアを三段ボックスから抜き出すと、身支度を整え始めた。