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青い欲情~男と女の色模様~
第18章 略奪愛
「どこかへ買い物ですか?」
「……」
何も答えられずに黙っていると
「やだなあ、新年早々、表情が暗いですよ
どうしました?夫婦喧嘩でもしましたか?」
「なぜそんなことを?」
「だって…バレたんでしょ?
僕たちの関係が」
「何を言い出すの?」
「あれぇ?
せっかく不倫の宣言をしてあげようと警告文だけじゃなくて動画まで送り届けてあげたのに
まだ見てくれてないのかな?」
「ま、まさか…
あの動画は…あなたが?」
「はい、そのまさかですよ
あなたたちご夫婦の関係が崩れ去ってしまえばいいと思ったからね」
「なぜ!?なぜあのようなことを!」
「決まってるじゃないですか
何もアクションを起こさなければ僕は単なるあなたの愛人というポジションから抜け出せませんからね」
こいつだ!こいつのせいで我が家はぐちゃぐちゃになったんだわ!
「おろして下さい!」
こんな奴と車という狭い空間で
同じ空気を吸うのも吐き気がした。
「僕はね、あなたを奪うためならどんなことでもしますよ
たとえ、あなたの旦那さんを殺してでもね」
大森の目に殺気を感じた。
離婚する決心をしたとはいえ、
今はまだ戸籍上は夫婦なのだから
夫に危害を加えられたくはない。
清美は飛び降りてやろうかという気持ちを抑えて、静かに助手席でおとなしくした。