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青い欲情~男と女の色模様~
第19章 学年末
そんなイヤな事があっただけに
学校で久々に美波に会えたというのに
まったく心が弾まない。
「いいよなあ、美波んちは…
お父さんとお母さんの仲はいいんだろ?」
「そんなことないよ…
両親の甘い会話なんて聞いたこともないしね」
美波の言葉で僕の脳裏には
美波を送り届けようとしたあの夜、
迎えに来た父親の顔が浮かんだ。
仏頂面で無愛想だったな…
あの親父さんとは上手くやっていける自信がなかった。
お母さんとは美波との密会を見られて
学校にまで乗り込んできたっけ…
その時は上手く誤魔化したけど
とても綺麗な人だったけど終始僕を睨んでいたなあ…
あの仏頂面の親父と気の強そうなお母さんが夫婦になったという馴れ初めは知らないが
とてもじゃないがお似合いのカップルとも言えない。
そう思うと男と女の関係って不思議だなあと思ってしまう。
「やだぁ~、何真剣な顔をしてるのよ」
「い、いや…別に…」
あんたのご両親と上手くやっていける自信がないなんて、口が裂けても言い出せなかった。
「ね、明人のお母さんってヨガスクールに通っていたんでしょ?
そこに行けば何かわかるんじゃない?」
美波の提案にハッとした。
そうだ、そこに行けば何か情報が得られるかもしれないな。
放課後、僕と美波は母さんの通っているヨガ教室に行ってみることにした。