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青い欲情~男と女の色模様~
第19章 学年末
ヨガ教室は新年の最初の授業ということで
受付ロビーは正月らしい飾りつけがしてあった。
受付けの女性は僕たちがカウンターの前に進み出ると入会希望者と思ったのか、とびっきりの笑顔で迎えてくれた。
「あの~…すいません」
声をかけると、待ってましたかのように
スッとパンフレットをカウンターテーブルに差し出してくれた。
「あ、いえ、違うんです
こちらに僕の母が生徒としてレッスンを受けているはずなんですが…」
僕は母の名前を出して年が明けてからレッスンに来たかどうかを尋ねてみた。
「あ、そうなんですね…
すいません、こちらは入会希望のカウンターなので、出欠の有無はわからないんです」
個人情報の関係で教えようとしないのではなく
その女性は本当にわからないのだろう。
こちらが恐縮するほどの申し訳なさそうな顔で頭を下げてくれた。
そんな僕らの会話を聞いていたのだろうか
一人のプロポーションの素敵な女性が
「清美さんのご家族の方?」と声をかけてきた。
「私、この事務でインストラクターをしている者です
実は昨日が年明け初日のレッスン日だったんですけど、清美さんは無断欠席をされたんです
そして、ほんのつい先ほどなんですが、ヨガスクールを辞めたいと連絡がありました」
「えっ?辞める?」
母は、このヨガスクールをとても気に入って毎回楽しみにしていたので、退会することを疑問に思った。