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青い欲情~男と女の色模様~
第19章 学年末

ヨガスクールで教えてもらった住所を
僕と美波は訪ねてみた。

マンションという肩書きがあるものの
オートロックもなく、セキュリティなど無いに等しいハイツに近いような建物だった。

「あ、ここよ」

教えてもらった部屋番号の扉の前に立ち、
美波が何度かインターホンを押してみたが
電源が入っていないのかチャイムの音が聞こえない。

焦れったくて、僕は思いきってそのドアを力一杯叩いてみた。

ドンドンドン!とけたたましく叩く音に
何だろう?と隣の部屋のドアが開いた。

「ちょっと、うるさいんだけど!」

「あ、すいません…
ここの住人の方に用があって来たんですけど…」

「そこ、空き部屋よ
昨日、引っ越し業者が来て荷物を運び出して行ったわ」

「えっ?引っ越した?」

途方に暮れかかった僕に代わって
美波が冷静沈着に「その引っ越し業者ってどこの会社かわかりませんか?」と隣の住人に聞いてくれた。

「こめん…そこまで覚えていないわ」

ごめんなさいねと頭を下げて、その住人は扉を閉じてしまった。

「これじゃあ、にっちもさっちもいかないね」

僕と美波は途方に暮れてその場にうずくまってしまった。

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