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青い欲情~男と女の色模様~
第20章 最終学年
そんなどんよりとした空気を引き裂くように
僕の尻ポケットのスマホが「LINE~」とけたたましい音を立てた。
「いつも言ってるだろう、食事時はスマホの電源を切るかマナーモードにしておけと!」
無言の食事タイムだから余計にスマホの着信音が耳障りになるんじゃないか!と
僕は腹立たしく思ったけど
「すいません」と、まったく気持ちのこもっていない謝罪を口にした。
やれやれ、タイミングが悪いもんだと
僕はスマホを尻ポケットから取り出してマナーモードに設定にしようとした。
スマホ画面には美波からのLINE通知だとお知らせが表示されている。
『そうか…美波を妊娠させてしまったことを父さんに話さなければいけないんだった…』
僕は着席の姿勢を正しながら
背筋をピンと伸ばして「父さん…折り入って話があるんだ」と切り出した。
「今じゃなきゃダメなのか?
せめて食事が終わってからにしろ」
息子が折り入って話があると言っているのだから、
どうした?ぐらいの言葉を投げ掛けてくれてもいいじゃないかと腹立たしく思った。
マナーモードにしたスマホが
今度は尻ポケットで震えだした。
通話を求めているようでブー、ブーという耳障りな音が鳴り止まない。
「すいません、急用かもしれないんで…」
僕は父さんに断りを入れて
席を立ってテーブルから離れた。