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青い欲情~男と女の色模様~
第20章 最終学年
「君の好意だけを受け取っておくよ」
「えーっ?せっかく今人気の女性を予約指名してあるのにですか?帰しませんよ!今夜は部長にとことんいい思いをしてもらおうと決めているんですから!」
店先から引き返そうとする春彦の腕をつかんで離そうともしない。
こうやってソープランドの店先でもめるのは周りの目からは滑稽に見えるだろう。
「わかった、わかった。
君の推薦する女と遊ばせてもらうよ」
春彦は観念した。
場合によっては下請けを切るぞ!っと一喝することも出来たが、酔っぱらいを相手にそこまで無気になるのも大人げないと思った。
どうせならその女を相手に酔いざましの世間話でもして自分の酔いをさますのもいいかなと思った。
「そうこなくっちゃ!」
接待が目的なのか、
それに乗じて自分も遊ぼうとしているのか
下請けの担当者は上機嫌でソープランドの中へ春彦をいそいそと連れて入った。
「君!予約してある女性をこの方につけてくれ」
カウンターボーイに担当者がそう告げると
「かしこまりました、こちらへどうぞ」と
春彦はメルヘンチックな小部屋に押し込められた。
『ふう…まったくあいつも酔うと言うことをきいてくれないだから困ったものだ…』
ソファに腰かけて待つこと数分…
奥のカーテンが開いて正座して三つ指をついた女が深々と頭を下げて「ご指名ありがとうございます、今夜のお相手をさせていただくヨシコともうします」と馬鹿丁寧な挨拶をしてきた。