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青い欲情~男と女の色模様~
第2章 文化祭
「でもさ…僕って、こういう役員とかには向いていないと思うんだよな」
辞退する意思の強さを強調しようとする僕の手を
美波はそっと握ってきた。
「えっ?」
その手の華奢な細さに
僕は思わずドキっとしてしまう。
「私…明人くんとなるべく一緒の時間を作りたいの…」
不意に美波が立ち止まったので
手を繋がれている僕の足も自然と止まる。
どうしたんだよと美波の顔を見つめると
彼女は僕の方を見ながら静かに目を閉じた。
『こ、これって…
キスをおねだりしているのか?』
好みのタイプでもない女の子だけれど、
こうして誘われるとドキドキしてしまう。
うふふふ、冗談よ
そう言ってからかわれるものだと戸惑ったが
美波はいつまでたってもそのポーズを解かない。
おまけに、もっと近づけとばかりに
繋いだ手に力が入って彼女と向き合わされた。
『いいのか?いいんだよな?
彼女から誘ってんだもん
唇をいただいてもバチは当たらないよな…』
繋いだ左手にグッと力を込めると
それに反応して美波もその手を強く握り返してくる。
自由な右手で、そっと美波の肩を抱く。
一瞬だけ美波の体がビクッとなったが
相変わらず目は閉じたままだ。
ゆっくり、ゆっくりと僕は顔を近づけてゆく。
鼻先に微かに美波の呼吸が当たった。