この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
青い欲情~男と女の色模様~
第20章 最終学年
どうぞごゆっくり…
沙織が気を利かせて部屋を出ていってくれたので
寝室には僕と美波の二人っきりになった。
「熱が下がってよかったわね」
はい、これ、お見舞いよ
美波は小さなボックスを僕に手渡した。
「なに?」
「えへへ…クッキーを焼いてみたの
急いで焼いたから自信はないんだけどね」
「うわぁ~!嬉しいよ
ちょうどお腹が減っていたんだ」
沈黙の時間を作りたくないとばかりに
僕はクッキーをポリポリと咀嚼した。
「美味しい?」
「ああ、最高だよ」
そう言ったものの、実際は味なんてわからなかった。
コンコン…
再びドアがノックされて「明人~、ちょっといらっしゃい」と沙織に呼びつけられた。
「何?」
「はい、これ、コーヒーを淹れたから持っていきなさい」
トレイに二人分のコーヒーカップが置かれているのを手渡された。
「それと…これもあげるわ」
トレイの上に小さな小袋も添えられた。
一目見てそれがコンドームであることがわかる。
「ちょ、ちょっと!なに気を回してんだよ」
「いいから、いいから。
私とヤっちゃったけど、まだ出来るんでしょ?
私はファミレスで時間潰ししてくるから終わったら連絡してね」
セックスなんてするわけないだろ!と
僕が言うよりも早く沙織はコートを羽織って家から飛び出していった。