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青い欲情~男と女の色模様~
第21章 最終章
キッチンの襖を開けると
僕の予想通り母さんは父さんと差し向かえでビールを飲んでいた。
「あら、明人、お帰りなさい
美波ちゃんは?帰っちゃったの?」
あれほどまでの痴態を美波に見られたというのに
母さんはまるで何もなかったかのようにそう言った。
それにしても何で父さんが?
あの家を出て独立すると言ったとき、
半ば勘当同然に仲違いしたというのに…
「何で父さんがここにいるんだよ」
「ん?息子の家に訪ねてきて何が悪い
俺はれっきとしたお前の父親だぞ」
「そうよ、そして私はれっきとしたあなたの母親よ」
僕のいない間にけっこう呑んだのか
その顔は真っ赤だ。
父だ、母だと名乗りあって
何が可笑しいのか二人は顔を見合わせて同時に吹き出した。
「ほらぁ~、明人もそんなとこに突っ立っていないで席につきなさいよ
あんたの家なんだから遠慮することはないのよ」
母さんはそう言うと
僕に席を譲るように立ち上がって
そのまま父さんの隣に腰かけて甘えるように父さんに体を預けた。
「おいおい、あんたらは離婚したんだぞ
もう他人なんだからイチャイチャすんなよ!」
まるで僕は愛人である母さんを奪われたような気がしてむしゃくしゃしていた。