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青い欲情~男と女の色模様~
第21章 最終章
次に僕が目を覚ましたのは
猛烈な吐き気によるものだった。
僕はベッドに寝かされていたが
「うぷっ!と、トイレ!」
それだけ言うのがやっとで
猛烈に逆流してくるものを必死で堪えた。
「ダメ!我慢して!
トイレはこっちよ」
沙織に案内されてトイレに駆け込むと
僕は便器を抱いて初めて酒に酔ってリバースした。
唐揚げとかもつ鍋とか飲み食いさせられたものが逆流して、せっかくのご馳走が勿体ないと思った。
やがて胃の中が空っぽになると
今度はひたすらに胃液を吐いた。
ひととおりリバースしてしまうと
酔いも覚めて自分が今どこにいるのかという疑問がわいてくる。
トイレから出てくると
「はい、お水よ。できるだけたくさん飲んでね」と
マグカップになみなみと注がれた水をイヤと言うほど飲んだ。
「ほんとに酒量を考えて呑まないと急アルになるわよ」
ティッシュで僕の口元を優しく拭ってくれたのは
紛れもなく沙織だった。
「会えた…また沙織に会えた」
僕は、この奇跡ともいうべき再会を心から喜んで沙織を強く抱きしめた。
「ちょ、ちょっと明人…
やめてよ、もう恋人でも継母でもないんだからさあ」
迷惑そうに僕を押し退けた。
完璧に酔いが覚めたわけでもないので
ちょっと押されただけで僕はヨロヨロしてしまい、先ほどまで寝かされていたベッドに尻もちをついた。